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読書感想

「辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦」読んだよ~

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いやはや前回の
「世界の辺境とハードボイルド室町時代」も面白かったけど、
この本もあっという間に読んでしまいました。
こういった別々のジャンルの専門家が、
自分の業界で話題になっている本を互いに紹介して、
対談を繰り広げる・・・、なかなか面白い企画でした。


特に冒頭の第1章で紹介された「ゾミア」という本の内容は強烈でした。
国家にとって搾取用の作物として非常に優れているのが
米 である、というのが、わたしにとってはとにかく衝撃でした。

まずタイトルの「ゾミア」とは。
土地に縛り付けられるのを嫌い、国家の管理から逃れる為に、
辺境へ逃げ、【敢えて】 民族の歴史や文字を捨てた人々。
そういう人々が多く住む、
ベトナムの中央高原からインドの北西部、
タイ、ビルマなどの東南アジア諸国と中国のあいだにひろがる
山岳地帯のことを、「ゾミア」と言うそうです。

今まで辺境に散らばって国家の影響下に入らず
「文化の遅れた人達」と考えられがちだった人々ですが、
この本では、それは違うと。
そうではなく、彼らは国家の支配(税や徴兵など)から逃れるため、
確信犯的に文字や自分たちの民族の歴史を捨て、
≪あえて≫山へ住むことを選んだ人々である、と
具体例をあげつつ書かれているんだとか。
賛否両論な本らしいけど、なんか腑に落ちるところもあって。

縄文時代とか弥生時代の日本って
世界的には「辺境」の一つだと思うんですが。
海を隔てた中国とか、戦争でえげつない殺戮が起きるし、
自分がその時代、中国に生きてたとしてたら、
ちょっと生活が原始的になったとしても、
逃げられるもんなら逃げたいって思うもん・・・
わたしなら辺境の日本へ船出して渡来人になる、絶対w

本の内容で、個人的に非常に興味深かったのは
「米は支配に適した作物である」ということ。
米ですよ米。
日本人のアイデンティティに深くかかわってる米ですよ。
この米、人々を土地に縛り付けることができ、
収穫高の把握も容易で、支配するのに都合が良いという。

(じゃあ麦は?蕎麦は?と思われる方も多いと思いますが、
 この本にはそこまで触れられてないので、
 本家の「ゾミア」を読んでみるしかないかも・・・)

ちょっと話がそれるようではありますが、
少し前に台湾の米について話を聞いたことがありまして。
向こうは暖かいから1年に3回収穫できるんですって。
しかも、南から北へ順番に収穫していくので、
毎月どこかしらの新米が出るというね…。

これを聞いた時に、
思わず「ずるーい!」って心の中で叫んだんですよ(笑)
江戸時代の日照りに苛まれ、泣く泣く娘を売るお百姓とか、
「今年は不作で食うものもない有様…年貢をどうか勘弁して下せえ!」
と泣きながらお代官に訴え出るお百姓とか…
とにかくもう江戸時代のお百姓さんがこれ聞いたら泣くぞ!
いやはや知らないほうが幸せな事ってあるね。知らなくて良かったよ本当に。
知ってたら、鍬を放り出して南へ船出しちゃってたかもね!
・・・そう思っちゃいましたよw
(ま、現代の台湾のコメ事情と比べちゃダメなんだけどさ)

そう、もしそれでお百姓たちがいなくなっちゃったら、
国家の体をなさなくて、支配も何もあったもんじゃなくなるんですよね。
だから、支配者は民を逃すまいと考える。

その点、ゾミアの人々は
山の中にいるから「お触れ」なんか知らないし、
そもそも字が書けないし読めないし、
狩猟民だし、定住してないし・・・。

なんかあれだな、上司や同僚に「コイツだめだ」って思われたほうが
結果、仕事ふられなくて楽に定時で帰れる・・・みたいな戦略だな。

今までは、肥沃なイイ感じの土地に人がたくさん集まって、
それが国になって・・・って考えてたけど、
さかさまに考える必要だって、あるのかもね。

近年、災害が多くて特に思うけど、
日本人ってどんな目に遭ってもその土地への愛着がすごい。
そして踏ん張って頑張る。
それって美点だと思うし、まったくディスるつもりはないんだけど、
日本の歴史、約2000年、
ずーっと米を作り続けた日本人が、到達したこの民族性って
ゾミア的な目で見た時に、
そこまで、骨の髄まで国家に飼いならされきっているのかと、
ちょっとガクブルしてしまうレベルかも・・・ドMすぎて・・・。
そう思うとね、米ってなんなんだろう・・・
ちょっとその功罪みたいな事を考え込んでしまったんですよね。
まあでも今年も新米、美味しく食べてるけどね・・・。

もう一つ
第6章で取り上げられた「ピダハン」という本も非常に気になりました。
左右の概念がない、数の概念もない、創生神話も持たない。
著者はピダハンの村に布教に行った伝道師だったんですが、
彼等と接することで、西欧的概念が根底から崩壊して、
とうとう無神論者になってしまったんだそうです。

同じ地球に住んでいて、人間ってこんなにも違うか~~~って、
びっくりするくらい考え方とか世界観が違っている民族がいるんですね。
世界って広いなあ。
今まで、世界の人類の共通項みたいなことばかり注目してきたので、
それとは真逆な本かも。
この本も、読んだらかなり衝撃を受けそうでw 興味津々だわ~。

あとは第5章で紹介された町田康さんの「ギケイキ」も気になる。
ただ、まだ続いてるんですよね。終わるまで待ちます。
同じ章で紹介された「頼朝の武士団」を読んでおくのもいいかもしれない。
ていうか、このあたりの本を読んでしまうと、
(>'A`)>ウワァァ!!
これを読んでから鞍馬寺に行けばよかったあああ
・・・って、後悔しそうな予感がするから、ちょっと心配でもあるw

他にもいろいろな本が取り上げられていたのですが
とにかく「ゾミア」がわたしの中で、強烈すぎて、
話が脱線してばかりで、
本の紹介になってない感じになってしまいましたw
しかし、これだけ書いておいてナンですが、
じゃあ本家本元の「ゾミア」を読むかって言うと、
これがかなり重量級の本みたいで、
うーん、読み切れるだろうか・・・かなりためらっております。



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Comments 4

There are no comments yet.
あけぼう

あけぼう  

Re: No title

りんご村のシルルさん、( ´∀`)ゞ イラッシャーイ

ゾミア読んでみてください!
(ちなみに私はまだ手を出せてませんw)
それか、私の感想はちょっと興奮が先走ってるのでw
このタイトルの本を読んでからでも良いかも・・・。

ゾミアってどうしても
サンカや海民について考えさせられますよね。
彼らは縄文の人々とのつながりも指摘されたりしますけど
実際、稲作は縄文の頃からちょこちょこ行っていたとはいえ、
それを生活基盤にすることを避けた人々がいたっていうのは
もしかすると稲作の背景に支配の影をかぎ取ったからかも・・・
なんて、色々と想像してしまいます。

2018/11/22 (Thu) 09:55 | EDIT | REPLY |   

りんご村のシルル  

No title

こんばんは。
ゾミア…知らなかったです。

この本、読んでみたい。
面白そうですね♪

ゾミア…

2018/11/21 (Wed) 19:07 | EDIT | REPLY |   
あけぼう

あけぼう  

Re: No title

misachi68さん、( ´∀`)ゞ イラッシャーイ

面白かったです。対談形式だからサラサラ読めるし。
ゾミア気になるんですよ~~~でも分厚くて2段になってるらしいの。
分厚いだけでも「えー!」って感じなのに、その上2段って、すごいボリューム。

ゾミアの人みたいな生き方をする人たちは日本にもいたけど、
その人たちは縄文の流れをくむ人々とも言わていたりしていて、
じゃあ彼らは稲作が入ってきた時に、その陰に支配のにおいを感じとって、
それを拒否して山(や海)へ行っちゃったのかなあとか、
いろいろ妄想が羽ばたく~w

2018/11/20 (Tue) 09:51 | EDIT | REPLY |   

misachi68  

No title

またまた面白そうな本ですね〜(*´∀`*)
中国から渡来人になってやってきたなんて
ありえるよねぇ。
ゾミア気になってきた。

2018/11/19 (Mon) 22:35 | EDIT | REPLY |   

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