「天地明察」 読んだ



江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!



さすが吉川英治文学新人賞&本屋大賞だね。良かった~
主人公・渋川春海が苦闘の果てに八百年続いた宣明暦を廃し、自分の打ちたてた大和歴を正式な国の暦として、帝の改暦の詔を得るまでの何十年にも及ぶお話。
戦国時代の派手さや、幕末のドラマチックさとは無縁の時代の話にもかかわらず、面白すぎて一気読みしてしまった
恥ずかしながら私は主人公である「渋川春海」の名を全く知りませんでした
で、でも、大半の人が、この本で知ったんじゃないかな?

でも実は私、前々からこの時代の算術についてなにげに興味がありまして。
身分に関わらず色々な人が難問を絵馬に書いて、不特定多数に向けて出題したり、その問題に挑戦したりするのって、なんだかネットみたいだな~思って興味深かったし。

もうちょっと深く知りたいっていう気持ちはあったけど、私は数学が大の苦手で、多分、その辺を説明されても理解できないであろうということも分かってました(笑)

そこのところ、この本は、数式がどうのこうのっていう所はうまく処理してあって、超文系の私にも分かりやすい。
本当に、作者に拍手です。
また、主人公が挑む事になる改暦事業の政治的な意義とか、どのくらい気の遠くなるような難しい事業なのかとかも説明が分かりやすい。
何しろ、暦について深く考えた事が無かったし・・・。

なにより、主人公の春海が、一人、また一人、自分と関わった人たちの想いを背負って、難事業完遂へ向けて、挫折に七転八倒しながらも、一歩、一歩、進んでいく姿に感動・・・

算術や囲碁など結果が白黒ハッキリと出る世界のお話であるせいか、全体的な雰囲気として、サッパリとしたところがあってイイ


以下はほんのりネタバレ有。
そしてラスト。割と純粋というか天然というか、おっとりしたキャラの春海なんだけど、自分の暦の理論が完成して、はじめて自信を持って攻めの姿勢に入る。ここが改暦の詔を天皇から得られるか否かという最終局面で、慌てず騒がず、着実に打ってきた布石(政治工作)がビシバシ決まり、見事な逆転劇。
その時、「渋川春海」という人物が初めて日本史上の偉人として自分の前に立ち現れたような、本因坊道策じゃないけれど、ずっ~とはぐらかされてきた彼の真の姿をそこでちゃんと見届けた気持ちがして、最後まで読んできて良かった・・・ウンウンっていう清々しい気持ちになった。そして今までの色々な出来事や長い間の苦労なんかを思い出して、あらためて「天地明察」というタイトルに感動・・・。




人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
ポチッと押していただけると小躍りします☆


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い



関連記事
スポンサーサイト
テーマ: 読書 | ジャンル: 小説・文学

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

冲方丁 『天地明察』(角川文庫)、読了。 今年の年またぎ読書はこれだな・・・・・と思って読み始めたのですが、 あまりの面白さに一気読み! 年内に読み終わってしまいました(笑)。 江戸幕府、武家文化から官僚文化への過渡期、 その中で碁打ちの才能で仕官している主人公、 算術、天文学、観察と仮説と検証の自然科学、 もうとにかく、様々な興味深い要素がちりばめられており、飽きませ...

2017/03/16 (Thu) 19:30 | 観・読・聴・験 備忘録