「食客風雲録 中国篇 」読んだよ~
最近「食客」が気になっていて・・・。
強気なニートのようでもあり、ある種ノマドワーカーみたいでもあり・・・。
その時忙しくて疲れてたせいもあるかもしれないけど、なんかすごく羨ましくなったw
(突如わきあがるニート願望・・・)
でも、実際はどうなんだろう?
自分で有力者に「才能」を売り込むわけだけど、その「才能」はどうやって量るんだろう?
食客になれたとして、どういう扱いをうけるんだろう?
どんな部屋(客舎)に住まわせてもらえるのか。
やっぱ角部屋wは序列が上の人が住むんだろうか?
食客て言葉は前から知ってたけど、実態はどんなものなのか、謎めいてる・・・
なにか、食客について書かれてる読みやすい本は、ないかな?
そう思って調べたらありました。この本。
古代中国・春秋戦国時代。
司馬遷の「史記」をベースに食客たちの事が描かれてます。
主人は食客たちに選ばれないといけないから、とにかく礼を重んじて、こうべを低く垂れる。
対して食客は「おれは凄いんだぞ」ということをアピールしないといけないから、こう、非常に高飛車な態度だったりするんですね。そういう態度に出ることで、自分が仕えるに値する人間かどうかも試してるわけです。
逆に主人のほうは自分が試されてるってことはわかってます。
もし食客たちに「こいつダメだ」と思われて他所へ行かれちゃうと、その先々で「あいつは大したことのないやつだ」と喧伝される恐れもある。(それは戦国時代、下手をすると命取りになることも・・・)
だからもう、とにかく低姿勢。
しかし、主人が低く、食客が高く・・・一見そう見えても、立場としてはやはり食客はある種の「物乞い」でもあるわけで。食客が集まることで世間の評判が高まるのは主人なわけで。このシーソーには裏表あるわけです。そこがなんだか面白い。
食客にも、やっぱり序列があって多くの食客を抱えているところは、食客の中から食客たちを束ねる「舎長」がいるんだよ。大勢を相手しきれない主人に代わって、食客の面接をすることもあるんだよ。
出てくる人物はたくさんいるけど有名どころでは「劉備」
(この人選は意外だった)
あと「平原君」「信陵君」が割と多くを占めてました。
「食客三千」と言われる公子のおふたりなので、食客エピソードに事欠かないです。
范雎・蔡沢とか、白起将軍とか、漫画「キングダム」を楽しく読んでる人なら、あ、これ、名前に見覚えがあるぞ~、という人名もチラホラ出てきます☆
ちなみにこの本には「日本篇」もあるみたいです。
そもそも作者が「食客」に興味を持ったのは、受験の時に、東京の親戚の家に居候したとき(食客体験)の哀しみがベースになってるらしく・・・読んでると、
「いや、何もアンタ、そこまで傷つかなくても(;^ω^A」
と思ってしまうような内容でもあり、しかし一方で
「あーでも分かる。分かるわー(;´Д`)」と共感する部分もあって。
なんでかというと、あけぼうも3歳の時、1か月ほど祖父母のところへ、一人で預けられてた経験がありまして。血のつながりがあり、孫だから可愛がってもらってるといっても、幼児ながらに「遠慮の心」が芽生えましたよ・・・。
作者みたいに高校生くらいで体験すると、もっと色々「見えたり」「分かったり」してしまうから、よけいに傷つく事も多かったのかもなあ・・・。
とにかく微妙な問題ですよ。食を他人に握られるっつーのは。
そこに考えが落ち着くと、それまで突如わきあがってたニート願望もしぼむよねー・・・w
しょうがないな、働くか。
しかし、確かにそういえば日本にも明治には「食客」いましたよね。書生とか言ってね。
中国の食客と、日本の食客はどう違うのかとか、いろいろ気になります。
日本篇も、またの機会に読んでみたいと思いますよ☆

